先日、サミーネットワークスが主催するパチスロのリーグバトルである「777リーグ」に出場中のとある演者さんに対し、ファンの方が「なぜガチバトルなのに解説しながら打つのか」という質問を投げた所、その演者さんによる返答が物議を醸すという事件(?)がありました。
内容はどうしても意訳になっちゃうので元のポストを参照して頂きたいんですが、とりあえず伝え方があまり良くなかったのかコレを書いてる時点でもまだちょっと燃えてます。
これについてはすでに色んな人が補足されており当該演者さんも謝罪済みなので筆者なんかがあらてめて解説するのもヘンなんですけど、そもそもパチ屋においてはガチという言葉がどうしてもダブルミーニングになってしまう以上、媒体やら企画を問わず同様のトラブルというのは今までにも散々起きてきたハズですし、同じような解説をしたことがない演者さんってのは多分いないと思うんですね。
なので当該演者さんの返答が少々投げやりな感じだったのも「何回目だよこの説明」「いい加減分かってくださいよ」という気持ちが多少なりともあるのかもしれませんし、実際これを解説するのはそれなりに文字数も必要なので、SNSだとなかなかムズい。
したがって当該演者さんには「説明がちょっと雑だった」以外の落ち度はないと筆者は思ってますし、「ガチじゃない」という発言に関しても「こういう理由だろうな」って推測して勝手に納得できる部分もあります。
というわけで今回はこの事件をもとに、パチンコ・パチスロ動画における「ガチ」という言葉について考えてみましょうか。
まず! スポーツ競技とかテーブルゲーム・ビデオゲーム競技において、勝敗はよっぽどじゃない限り全て「ガチ」です。そこに異論を挟む人は多分いません。これは全ての競技が「競技者vs競技者」のゼロサムゲーム(※例えば勝ちプレイヤーを1、負けプレイヤーを-1とした場合のトータルサム(総和)がゼロになる競技のこと)なので、引き分けを除いては明確に勝ち負け・優劣がつくからですね。
なのでほとんどの競技において、わざわざガチをガチと明記することはありません。
むしろガチと明言するんなら普段はヤオやデキレもあるってことになるわけで、それは説明するまでもなく色々とまずい。したがってわざわざガチって言葉を粒立てもしませんよ、というのは暗黙の了解として存在するハズなんです。
ところがどっこい! パチやスロの界隈では「ガチバトル」という単語がめちゃめちゃフツーに見られます。
一体何故なのでしょうか。
はい、これは筆者が思うに「ガチ」という言葉がかかる先に原因があります。普通は「ガチ」って単語は態度とかルールとかにかかる言葉なんですけど、パチの場合はこれがなんと対戦相手にかかる場合があるのです。
どういうことか。
そもそもパチンコという遊び自体「競技者vs競技者」の戦いではなく、あくまでも「ゲーム参加者vs店」の戦いなんですね。忘れがちですけど我々の本来の対戦相手は「店」。なのでゲーム参加者は本来はみんな「味方」であって、いってみれば「全員同じチーム」なのです。
パチンコがゼロサムゲームとして成立するのは、あくまでも店を参加者とカウントした場合のみ。それをしないと成立せず、往々にしてマイナスサムに、超マレにプラスサムになるのです。
ここは他の競技と全く違うところですし、パチンコを他の競技に当てはめて考える際のあまりにデカい足かせになるので1回頭に叩き込んでおいたほうが良いかもしれません。
パチンコのバトル企画などでは、それをチーム分けしたりして「競技者vs競技者」のかたちに再構成してるわけで、そうなると当然、店との戦いであるハズのパチンコが、普段はノリ打ちしたり情報共有したり出玉共有したりする「プレイヤー同士」で争うゲームになる。
パチンコ・パチスロ系の出玉バトル動画においては、これを「ガチバトル」と表現してるわけです。普段とは敵が違うし、ガチってことばも本質的にはここにかかってる。
したがいまして、777リーグがガチなのかガチじゃないのかというと、これはもう紛うことなきガチです。チーム同士で出玉共有をしてたら「ガチじゃねぇじゃんか」ってなりますが、そうじゃないんだからガチ。普段は味方の演者と真剣に戦ってるからガチなんです。
さらに論を進めます。
当該演者さんに対するファンの方からの最初の質問を見てみましょう。これはある程度正確に転載しますけど、それがこれです。
「なぜ777バトルでも解説しながら回すんですか? ガチバトルなら回してナンボでは」
はい、この「ガチ」は上のブロックで解説した「競技者同士で闘う形に構成してる」という意味の「ガチ」じゃなくて、いわゆる「真剣」にルビを振った時の、姿勢としての「ガチ」なんですね。要は一般競技の「ガチ」だったり、あるいはパチンコ界隈においては「養分」とか「エンジョイ勢」の逆サイドの「勝ちにこだわる打ち方」としての「ガチ」を刺します。
もうおわかりかと思いますが、これに対する答えとしては「いや、そういう意味でのガチじゃなくて、対店じゃなくて対個人で情報共有とか出玉共有とかせずに闘うっていう意味のガチです」みたいな形になるのですが、それをキュッとすると「ぜんぜんガチじゃないですよ」になるわけで。演者さんがなぜそういう物言いをしたのか、その理由が推測できるぜといった意味はコレです。
繰り返しますがこれは「ガチバトル」という言葉を他の競技と同様にパチンコに置き換えたときにフツーに起きる齟齬ですし、解説もなかなか難しい。
他の方も解説されてますけど、ぶっちゃけこれはどっちも正解っちゃ正解でして、本気で収支を取りに行く立ち回りで勝負するぜ、という意味であれば「解説するより回しなさいよ」という苦言もあって然るべきなのでしょうし、また逆もしかり。解説に時間をかけようが何しようがチーム同士で真剣に争ってんだからガチバトルだというのも正解ですし、形式としてはむしろそっちが正しい。
あとはまあ、大前提としてスポンサーがついてる動画である以上はパチスロを盛り上げるために最低限面白い動画やタメになる動画、みんなが見てくれる作品に仕上げないといけないわけで、ただ真剣に何も喋らず打つって選択肢はハナからないってのも当然あるけど、まあそれは分かりきってることなのでおいといて、やっぱ「ガチ」って言葉の置きどころが今回のトラブル? の中心部なのかなと思いました。
繰り返しますが、パチンコやパチスロという遊びにおいて、プレイヤーの最終的な対戦相手は店です。そっちを攻略しようとする際の「ガチ立ち回り」のガチと今回の「ガチバトル」のガチ。意味から何から全く違うよね、という話でした。
こういう他の業界とは微妙に意味合いが違う言葉ってパチンコには沢山あります。「期待値」とかね。「欠損」とかね。「投資」とかね。
はいまた次回!