皆さん、こんにちは。ジェイさん@発信する遊技機ブランドプロデューサーです。
パチスロを打っていると、自分がヤメた直後に当たった台を見て、「自分がそのまま打っていても同じ展開になっていたのだろうか」と考えることはありませんか。また、最近のスマスロAT機の挙動を見て、「すべて最初から決まっているのではないか」と感じることもあるでしょう。
結論から申し上げれば、パチスロはすべてが最初から決まっているゲームでもなければ、すべてがレバーオンの瞬間に一斉に決まるゲームでもありません。
では、何がレバーオン時に決まり、何がその後の条件や操作を参照して変わるのか。それを順を追って見ていくと、パチスロという遊技の仕組みがより鮮明に見えてきます。
遊技機規則に以下のような規定があります。
内部抽せんは、回胴回転装置を作動させたときからすべての回胴の回転の速さが一定となるまでの間に行われるものであること。
まず、規則上の基本として押さえておきたいのが「内部抽せん」という言葉です。規則における内部抽せんとは、そのゲームでどの役が成立するかを決めるための抽せんを指します。つまり、小役やリプレイ、ボーナスといった成立役を決定するための処理です。
そして、この成立役を決定するタイミングについては、規則で「回胴回転装置を作動させたときから、すべての回胴の回転の速さが一定となるまでの間に行うこと」と定められています。
一般的な遊技機では、この処理はいわゆるレバーオン時に集約されています。つまり、そのゲームで何が成立するかという抽せんは、レバー操作にひもづいて行われているのです。
さらに、さらに、内部抽せんに関わる乱数周期の規定があります。
内部抽せんは、次のいずれかに該当するものであること。
a 周期が0.05秒を超えるものでないこと。
b 周期が規則的であるものその他当該くじに当せんする機会を容易に推定することができる仕組みのものでないこと。
規則では、周期が0.05秒を超えないこととされています。50ミリ秒という、まばたきよりもはるかに速い速度で乱数は移り変わっています。したがって、レバー操作のわずかな違いによって参照される乱数値が異なり、結果も変わります。
ただし、ここで重要なのは、レバーオンで全部が決まるわけではないという点です。規則上、このタイミングで決定が求められているのは、あくまで成立役です。
その一方で、ATに関わる抽せん(継続抽せんや上乗せといった出玉に関わる要素)、あるいは演出の発生有無など、すべてを同じ瞬間に決めなければならないわけではありません。
この点は、近年のAT機を打ち込んでいる方ほど実感しやすいでしょう。たとえば、成立役はレバーオン時点ですでに決まっていても、その後の押し順を参照したり、停止した出目を見たりしたうえで、別の抽せんや分岐処理が行われることがあります。
ATの継続抽せん契機を第3停止ボタンを離した瞬間に置く、という考え方もよく知られた手法の一つです。成立役を決めるタイミングと、その後の出玉や演出に関する処理のタイミングが同じとは限らない、という点は押さえておきたいところです。

こうしたタイミングの違いがあるからこそ、「誰が打っても結果は同じなのか」という問いへの答えも、単純ではなくなります。1ゲームのレバーオンから告知に至るまで、内部でどのような処理が重なっているのかを順に見てみましょう。
最初の段階は、レバーオン直後の成立役の決定です。まずは規則通り、そのゲームの土台となる成立役が決まります。
次に、その成立役と現在の内部状態をもとに、ATに関わる抽せんが行われます。たとえば上乗せ高確率のような状態に滞在していれば、同じ成立役でも上乗せ抽せんの内容が変わります。
演出も同様です。レバーを叩いた瞬間に先告知や違和感演出が発生する以上、演出抽せんも基本的にはレバーオン時に行われています。レバーで決まった成立役や、上乗せ当せんの有無といった出玉に関わる変数をもとに、どの演出を出すかが選ばれているわけです。
そのうえで重なるのが、打ち手による実際の操作です。押し順の選択、目押しによる停止位置、停止結果、さらには裏ボタンや演出カスタムといったプレイヤーの意思による介在がここに含まれます。
そして最後に、これらを参照しながら実際の遊技結果が出力されます。たとえば押し順正解を条件に上乗せが表に出たり、特定の停止形や特殊操作を条件に演出の書き換えが行われたりします。最近の機種では、演出カスタム状態や裏ボタンのような特殊操作まで含めて演出制御に反映されるため、見た目以上に複雑な処理になっています。
このように、パチスロはレバーオンで決まった内部的な値を土台にしつつ、その後の打ち手の操作や条件参照を経て、最終的な出玉や演出として着地させることで1ゲームを完結させているのです。
これらの仕組みを踏まえると、「誰が打っても同じ結果になるのか」という問いに対する見え方も変わってきます。
成立役は1ゲームごとにレバーで抽せんされています。しかも、その後には押し順・目押し・停止形・カスタム・特殊操作…など、打ち手が関わる要素がいくつもあります。そう考えると「誰が打っても、まったく同じように進む」と考えるほうが、むしろ不自然です。
もちろん、長い目で見れば確率はスペックに沿って収束していきます。しかし、1ゲームごとの成立役・AT抽せん・演出の見せ方というレベルでは、個々の打ち手の操作やタイミング、意思が関わる余地がしっかり残されています。
パチスロは、単に抽せん結果を眺めるだけのものではありません。レバーオンで決まる土台があり、そのうえに打ち手の操作と制御の工夫が積み重なっていく。だからこそ、同じ機種でも打ち手ごとに体感が変わり、遊技としての面白さが生まれてくるのだと思います。