ぱちんこメーカー組合の日本遊技機工業組合(日工組)が今月4日にPACHI-PACHI7の新CM発表会を開催。新CMに業界の裏のドン・NことPACHI-PACHI-QUEEN役で出演する藤田ニコルが登壇し、ぱちんこについてアツく語ったことは既にご存じだろう。発表会の翌5日から新CMは放送されている。たとえばYouTubeでぱちんこ系のチャンネルをよく視聴する人はYouTubeの広告に頻出しているかもしれない。
PACHI-PACHI-7とは今年4月からスタートした日工組による大型プロモーションだ。はじめしゃちょー、東海オンエア、ヘラヘラ三銃士、さらば青春の光、福留光帆、佐久間宣行、ビッグクラッピーによるCMやYouTubeでの遊技の模様なども観た人は多いと思う。このプロモーションはLT3.0プラスの導入初日、つまり令和7年7月7日に向けたプロモーションだと理解している人が多いだろう。
今回はそのPACHI-PACHI-7の第二弾プロモーションとなる。新CMには第一弾出演者からはじめしゃちょー、佐久間宣行、ビッグクラッピーが引き続き出演し藤田ニコル扮するNに会いに行くという内容となっている。また、このプロモーションでは、CM以外にも、PACHI-PACHI-QUEENによる確変マニュフェストの随時発信、来年1月12日から渋谷エリアでCM連動のビジョン、来年4月25日と26日開催のニコニコ超会議にPACHI-PACHI-QUEENの理想を詰め込んだ「パーラーニコルン」の出展、「PACHI-PACHI-7」の名称を冠したぱちんこ景品の新ブランドの立ち上げ、などが予定されている。
このニュースを見て「そういえば前にも柴咲コウがCMに出てたな」とか「みんパチとかスロサミとかそういえば毎年やってるな」というように、どこか当たり前のように感じる人も多いかもしれない。しかし少し考えてみれば、かなり異例の大型プロモーションをやっていることに気づく。
そもそも業界(の特定職域)を挙げて大がかりなプロモーションをずっと続けるというのはあまり聞いたことがない。業界挙げてのプロモーションはどんな産業でも珍しくはないのだが、PACHI-PACHI-7だけを例にしても、来年のニコ超出展の時点で通算1年間を超えているのだ。日工組はぱちんこメーカーの組合だから「ぱちんこメーカー職域挙げてのプロモーション」ということにはなるが、今年の7月7日を振り返れば、多くのホールでPACHI-PACHI-7の第一弾の映像や写真が店内や広告宣伝に使われていたわけだ。メーカー職域挙げてのというよりは、業界挙げてのというものに近いような気がする。
ぱちんこ業界はまとまらないということを業界内ではよく言われる。何かしらの協議が業界団体内あるいは業界団体間でされているとき、小田原評定とまでは言わないがなかなか話が進展しない、ということが珍しくないからだ。また、決まったことを守らない例というのも散見される。最近なら広告宣伝ガイドライン違反の是正勧告などだ。
しかし、一般的な産業と比較すれば「ぱちんこ業界はものすごくまとまっている特殊な業界」と映るはずだ。事実を正しく認識すれば、だが。
たとえばPACHI-PACHI-7のプロモーション。果たして累計いくらのおカネを要しているのか。ものすごい額になることは明らかだが、日工組加盟メーカーのどこかの利益に寄せたプロモーションは一切していない。まとまりのない業界ならカネの話で大揉めするはずだ。
たとえば2020年のコロナ禍初年度。ほとんどの自治体でぱちんこ営業の自粛を求められた。自粛要請に応じず営業を続けた店が連日地上波の情報番組で報じられるという事態になったのでまとまっていないというイメージもあったかもしれないが、事実で言えば当時自粛要請に応じた店は全体の99%以上である。
たとえば2011年東日本大震災の年。東電管内の電力需給逼迫の恐れが生じたために輪番停電が始まった。23区は対象外と政府は言ったが私の住む足立区北部は停電対象地域となっていた。このとき、それほど電力需給が逼迫するならと、当時のホール5団体(この年の10月に5団体の二つ同友会とPCSAが合併してMIRAIが発足する)は東電管内と東北電力管内の輪番休業を決めた。その際の輪番休業遵守率も99%以上であった。
たとえば全国パチンコ・パチスロファン感謝デー。今年の開催は第34回だ。年一の全国連動イベントだから長年開催してきたことがわかる。ちなみにファン感を主催する全日遊連は全国の多くのホールが加盟する業界で最大の団体だが、加盟率は99%レベルではなくもう少し下がる。
こういうことを言い出したらキリがない。営業補償などの見返りが一切ないのに稼ぎ時のゴールデンウィークに店をずっと閉めていたのが99%というのは、おそらく他業界と比較したらあり得ないくらいの高い数字である。また、近年は全国ファン感はみんパチ・スロサミと連動させているため、みんパチ(ぱちんこメーカー職域)、スロサミ(パチスロメーカー職域)、全国ファン感(ホール職域)が一緒になってプロモーションしていることになる。また、今年はみんパチとスロサミが合同で開催された。
こういう事例を見れば「ぱちんこ業界はものすごくまとまっている特殊な業界」ということが言える。藤田ニコルのPACHI-PACHI-QUEEN就任というニュースは、「また大きなプロモーションやってるな」というよりも、私は業界のまとまりの強さを示しているという印象を持ったりする。
さて、今月は北斗とエヴァの導入月だった。まだどちらも打ってないが近々どちらも打ちたいと思っている。年内打てれば嬉しいのだが、私は開店前に並ぶことを絶対にしないので初打ちは年明けになるかもしれない。この2機種はどちらも定番シリーズであり、どちらも販売台数が多く、どちらもナンバリング前作が失敗しているという共通点を持っている。4円島の集客が苦しい現状にあって、この2機種が凋落を食い止めてくれるかどうか、注目している。
他にも今月は「地獄少女」が導入された。「地獄少女」の「Safety Start」にはとても注目している。要はデカヘソ系でもスタート回数を大きく閉めるホールが散見されるような現状で、スタートをできるだけ殺させないような作りである。年明け導入の「ようこそ実力至上主義の教室へ」の「コテスタ」も同様だ。ホール関係者に言わせればSafety Startは少しはスタートを絞れるがコテスタは厳しいと異口同音。とはいえSafety Startも絞るには限界があるわけだ。
この手の「スタート回数が安定して確保される」という設計のぱちんこは、現在いくつものメーカーが開発していることから、来年かなり登場する予定だ。デカヘソでも回らないという嫌なオペレーションをこういう設計で防いでくれるのならば、私としてはものすごく期待したい。
ぱちんこではないが、もう1機種今月は注目している。それは「無職転生〜異世界行ったら本気だす〜」、だ。ニューギンのパチスロ新筐体MIRAI-Hは業界人なら必ず体験しておかなければならないものだと考えている。実際に打ってみないとその良し悪し等はわからないが、こういう新しい取り組みはまず体験するべきだ、というのが私の感覚。
今年の打ち納め機種は何になるか。それが北斗かエヴァなら上々だが、それよりもこの2機種は成功してもらわないと4円島全体が回復しないわけだから、祈るような想いで注目している。
案外業界はまとまっているが、4円島が苦しいのは変わらない。北斗やエヴァが大成功すればヨシ、加えてせめてスタート回数は絞れないようにしようというSafety Startやコテスタのような設計も来年は増えるから、これにも期待している。そして2025年が4円島の底だったな、と何年か先に振り返って言えるようになれば理想のシナリオとなる。
さて、みなさま、本年もお世話になりました。
では、良いお年を。(文中敬称略)