6号機・P機のローンチ期からコロナ禍中くらいはびっくりするくらい話題になりませんでしたが、最近の新卒売り手市場の波に乗り、去年くらいからパチ屋の「入社式」が派手なニュースになることが増えました。
まず大手のマルハンは3カンパニーで合計200名の新卒が入社。これ自体もすごいことなんですが、特に東日本カンパニーの入社式には公式アンバサダーを務めるのチョコブラネットがサプライズ登場したとのことで、一般エンタメサイトなんかでもニュースになってました。単なる一企業の入社式がニュースになるってスゴイことだと思うんですけど、なんでわざわざこんな事を? はい、回りくどく説明します。
さてさて、パチ屋といえば古来より「高待遇」で知られています。
そのまんま「給料が高い」という意味でもそうなんですが、これについては今はもう他の業界の平均給与が上がってるので相対的に魅力がなくなりつつあるといっていいです。
が、待遇というのは別にお金だけじゃあありません。リフレッシュ休暇や社宅の存在を含めた総合的な「福利厚生」は昔から各ホールともかなり力を入れてるところですし、あと「若手の出世がやたら早い」というのもホール企業の特性。
これは実例があって、7年くらい前かな? 筆者の知ってる、半分ニートみたいな生活してた某メディアのライターはそこから脱却するためにホールでアルバイトを始めたところ、あっという間に正社員・リーダーと出世街道を駆け上がり、やがてはライター稼業からアシを洗って真っ当な社会人として生きていく決意をしていました。
調べてみたところ彼がそうなるまでに2年も掛かってなかったようなので、これはやっぱシンデレラストーリー感あります。パチ屋でリーダーになった程度でシンデレラとはシンデレラもずいぶん安く見られたもんですけど、実際、一定の年齢以上のライターがバイト入社で社員になるのはかなりキツイ時代だったので筆者も「いざとなったらオレもパチ屋で働かせてもらうべ」とか思ったもんであります。
とりあえず、チャンスが一杯あって、そして待遇もよい。
となると、これはもう引く手あまたの大人気業界であって然るべきなんですが、実は就職先としてのパチ屋というのは(残念なことに)かなり不人気です。
理由はもういわずもがな、業界としての印象が悪いのでまず親が反対するとのこと。
おじさんくらいになると親なんか世話をする側になってるので反対されたからなんだって話なんですけど、新卒の若者からすると親の意見というのはある意味では自分の意志より先に立つものなので、なにをやるにせよ親がダメっつったらダメなんです。
んで、そういうのがあるからこそ「パチ屋がリクルートにかける費用」というのは年々ガッツンガッツン上がっており、ある意味ではここが大金脈になってるんですね。
ちなみにこのリクルートにかける費用というのは、直接的な新卒の採用にかかる費用というのもありますけど、もっというと新卒をターゲットにしたイメージアップのPRも含みます。
いまやってる藤田ニコルさんのアレとかも、それ単体でホールの売上を上げようなんて全く考えてないと思いますし、イメージを底上げすることで採用人数を増やそう、業界の血を若返らそうとしてるのは絶対あるハズ。
そう考えると藤田ニコルさんの起用というのは絶妙も絶妙。親と子の両方のイメージアップを、ギリギリでフォローできる人選だと思います。
筆者はファッションとかトレンドにあんま興味ないんですけど、それでも彼女を知ってるのは2015年〜2017年くらいに、彼女がバラエティ番組に引っ張りだこだったからです。
んで、その頃に見てた人からすると彼女は神も神。「今どきのギャル」を体現してました。が、今の新卒がそういうのに敏感になったであろう15歳の頃って、もう彼女の人気はピークアウトしてどんどん露出が減ってきてた時期なんですね。
もちろん彼女がパチンコを好きだとかそういうのはあるんですけど、Z世代向けの「パチンコの顔」として立てるのには、申し訳ないんですがちょっとターゲットから外れてるんです。
ちなみに筆者、大学生向けのインタビューをこの半年以内にやってますけど、藤田ニコルさんのことを「知らない」と応えた学生も普通にいましたもん。
一事が万事じゃないんでまあこれは傍証に過ぎませんけど、大切なのはこの程度の調査を、偉いおじさんたちがやってないわけがないんです。間違いなく分かって起用してる。
なので「オッサンの思う【今時の若者】はズレ過ぎててキモい」というのは的外れな批判なので自省してください。
そう、ニコルさんの起用はどっちかというと「親」に強く刺さるものですし(だって、実際に新卒者の親の世代であるオレに刺さってるし)、一方で「子」のほうも彼女を神扱いはせずとも充分に認知してる。
親世代を巻き込んで子の世代に対してイメージアップのプロモーションをするのであれば、ド絶妙のピンポイント起用だと思います。これにはその先の「業界の血を入れ替える時に、親の意見が邪魔になる」という明確な問題意識を感じました。
将を射んと欲すれば先ず馬を射よ。ヒヒンヒヒン言いながら頑張って子を乗せて走ってきた親の脇腹に、ニコルンという名の矢がブチ刺ささる。
そんな感じです。何年か前の柴咲コウさんも多分それ狙ってたと思いますけど、藤田ニコルさんの方がより目的が明確化してる人選だと、少なくとも筆者は思いました。
さて冒頭の「入社式にチョコプラ」ですけど、ここまで読めば、はい、これが新卒者向けのサプライズじゃなくて、「来年の新卒者の親」向けのサプライズであるのが分かりますね。